WiMAXとはモバイルWi-Fiルーターの一種ですが、固定回線の代わりとしても利用されていることで有名ですよね。
しかしWiMAXが無制限で使い放題だったのは昔の話。現行のWiMAX 2+ ギガ放題は完全に使い放題というわけではなく、混雑回避のための速度制限があることをご存知でしょうか?
特に短期間に大量の通信をするような使い方は要注意です。この速度制限が行われると、通信速度は非常に遅くなってしまうため、快適に通信できなくなってしまいます。
ここでは混雑回避のための速度制限が行われる条件と、制限時の通信速度について詳しく解説します。
また、最後にWiMAX 2+のような速度制限がないサービスも紹介するので、固定回線の代替としてモバイルWi-Fiルーターを検討している方はぜひこの記事を最後まで読んでください。
あなたに最適なモバイルWi-Fiルーターがきっと見つかるはずです。
WiMAX 2+は無制限の使い放題ではない
WiMAXとは、UQコミュニケーションズやその他のサービス事業者が提供しているモバイルWi-Fiルーターの一種です。
昔は一切の速度制限が存在しなかったため、インターネットが使い放題のモバイルWi-Fiルーターとして人気でした。
しかし現行規格のWiMAX 2+では事情が大きく異なります。
WiMAX 2+は完全に使い放題というわけではなくなってしまったのです。
通常プランは月間7GB以上利用すると通信速度が制限される
現在WiMAX 2+で提供されているUQ Flatツープラスというプランは、月間データ通信量に7GBの上限を設けています。
毎月7GBまではハイスピードモードでなら下り最大558Mbps、またはハイスピードプラスエリアなら下り最大708Mbpsで通信することが可能です。
月間のデータ通信量が7GBを超過すると、翌月までは通信速度が最大128kbpsに制限されます。
普段なら一瞬で表示されるWebサイトでも、128kbpsまで低速化すると1分以上かかるようになるかもしれません。YouTubeの動画を再生しようとしてもなかなか読み込まれませんし、高画質で視聴することはまず無理です。他にもあらゆる作業でストレスを感じるようになるでしょう。
このような速度制限のことを、他の制限と区別するために容量制限と呼ぶことがあります。
通信量が少ない方なら、容量制限があるUQ Flatツープラスでも問題ないかもしれません。しかし固定回線の代わりにWiMAX 2+を利用しようとしている方なら、7GBは少な過ぎるでしょう。
そこでもう1種類のプラン、ギガ放題の登場です。
ギガ放題なら月間データ通信量には上限がない
UQコミュニケーションズでは通信量が多いユーザー向けに、UQ Flatツープラス ギガ放題というプランを提供しています。UQコミュニケーションズ以外の事業者でも、似たよう名前で同等の内容のプランが提供されているはずです。
このギガ放題プランでは、月間データ通信量に上限を設けていません。
つまり容量制限がないので、7GBを超過して50GBや100GB以上通信したとしても、通信速度が最大128kbpsに制限されることはないのです。
ところが、そんなギガ放題でも完全に使い放題というわけではありません。
ギガ放題には容量制限とは異なる速度制限が存在します。それが混雑回避のための速度制限です。
ギガ放題には「混雑回避のための速度制限」がある
ギガ放題を契約しているユーザー全員が、高速な回線を好きなだけ使うことができれば理想的ですよね。
しかしそれは非常に困難なことです。不可能と言っても過言ではありません。
なぜなら、あるユーザーのデータ通信量が増加して帯域が混雑すると、他のユーザーの通信速度が低下するなどの悪影響を与えてしまう可能性があるからです。
大量に通信しているユーザーの通信速度が遅くなってしまうのはともかく、通信量が少ないユーザーまで速度低下の煽りを受けてしまうのは公平ではありませんよね。
もちろん1人や2人が使い過ぎたくらいで深刻な影響を与えることはないでしょう。しかし、一切の制限がなければ無茶苦茶な使い方をするユーザーが少なからず現れて、いずれ帯域が混雑して他のユーザーに迷惑をかけてしまう可能性が高いです。
このような事態を回避するために設けられたのが、混雑回避のための速度制限です。
混雑回避のための速度制限とは
速度制限が行われるデータ通信量 | 直近3日間で10GB以上 |
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速度制限が行われる時間 | 3日間で10GBを超過した日の翌日18時から翌々日2時まで |
制限時の通信速度 | 上り速度、下り速度ともに約1Mbps(YouTubeで標準画質の動画が視聴可能な速度) |
混雑回避のための速度制限とは、直近3日間のデータ通信量が10GBを超過していた場合、18時頃から翌2時頃まで通信速度を上下ともに約1Mbpsに制限するというものです。
実施される条件が月間ではなく直近3日間のデータ通信量なので、3日間制限などと呼ばれることもあります。
ギガ放題には容量制限がありませんが、この3日間制限があるため完全な使い放題ではないのです。
しかし混雑回避のための速度制限は容量制限とは異なり、10GBを超過するとすぐに通信速度が低下するわけではありません。
通信速度が制限される時間帯は18時から翌2時まで
例えば4月1日から3日までの3日間だけ、毎日4GB通信したとします。
データ通信量は3日目に合計10GBに達してしまいますが、前日までの3日間、つまり1日と2日のデータ通信量の合計は8GBなので、10GBを超過していませんね。
したがって3日の18時以降は速度制限が行われず、通常のスピードで利用することが可能です。
ところが、4日になると前日までの3日間で10GB以上通信したことになりますね。そのため4日18時から5日2時までは通信速度が約1Mbpsに制限されることになります。
続いて、もし4日のデータ通信量が2GB未満であれば、5日の18時以降は速度制限が実施されません。逆に2GB以上通信していれば、5日18時からはまた低速下します。
このように、混雑回避のための速度制限は実施される時間帯が18時から翌2時までに限定されています。
そのため直近3日間のデータ通信量が10GBを超過したとしても、すぐに速度制限が行われることはないのです。
日中は制限の対象外なので完全に使い放題
また18時から翌2時まで以外の時間帯は、絶対に速度制限が行われません。そのため日中に限定すればギガ放題は無制限、完全に使い放題ということになります。
主な利用時間帯が夜間の方は要注意ですが、日中しか利用しない方はまったく気にしなくても大丈夫です。
しかしWiMAX 2+とは別で固定回線も契約している方でもなければ、夜間にまったく利用しないとは言い切れませんよね。仮に固定回線を契約していたとしても、外出先でWiMAX 2+を利用する機会もあるでしょう。
ですから日中しか利用しないという方も、3日間あたり10GB以上通信すると速度制限が行われる可能性がある、ということを頭の片隅に入れておいてください。
ところで、混雑回避のための速度制限では概ね1Mbpsに制限するとされていますが、本当に1Mbps程度に制限されているのでしょうか?
実際に速度制限の条件を満たし、18時以降の通信速度を測定して調べてみました。
速度制限中の通信速度を測定した結果
混雑回避のための速度制限が行われた状態で通信速度を3回測定してみたところ、3回とも下り速度は1Mbps強、上り速度は0.9Mbps前後でした。
若干の振れ幅はありますが、概ね公称値通りと言えるでしょう。
それでは1Mbps程度に制限された状態でもインターネットを快適に利用することは可能なのでしょうか?
ほぼ毎日3日間制限が適用されて低速状態で通信している筆者の経験も合わせて説明します。
1Mbps程度に制限されても快適に通信することは可能?
128kbpsの約8倍である1Mbpsはまったく使い物にならないというほどの通信速度ではありません。
使い方にもよりますが、低速状態でもストレスを感じることは少ないでしょう。
1Mbpsでも快適に通信できる使い方
- 標準的な画質の動画のストリーミング再生
- テキストが中心のWebサイトの閲覧
- メールやLINE、各種SNSなど
画質にこだわらなければ、1Mbps程度でもYouTubeやAbema TVなどの動画をストリーミング再生することは可能です。
試しにスマートフォンでYouTubeの動画を再生してみたところ、480p画質で問題なく視聴できました。
720pやHDなどの高画質で再生するのは厳しいですが、スマートフォンのような小さい画面で視聴するには480pでも十分です。
またテキスト中心のWebサイトやメールにLINE、各種SNSなどは発生するデータ通信量が少ないので、これらもストレスを感じることはまずないでしょう。
1Mbpsだと快適に通信できない使い方
- 高画質な動画のストリーミング再生
- 大量の画像が掲載されているWebサイトの閲覧
- 対戦型のオンラインゲームなど
先ほども述べたように、1Mbps程度で動画をストリーミング再生すると画質は480p前後に落とされてしまいます。つまり720p以上の高画質な動画を再生するのは厳しいです。
また標準画質で再生することは一応可能ですが、大画面のディスプレイで再生すると映像が粗くなってしまいます。テレビやパソコンなどの大画面で動画を楽しみたい方は要注意です。
画像が中心のWebサイトも読み込みに時間がかかってしまうためストレスを感じるでしょう。特にインスタ映えを狙った綺麗な写真などはデータ量が大きいでしょうから、枚数が少なくても表示に時間がかかってしまうかもしれません。
オンラインゲーム、ネトゲも要注意です。まったく遊べないということはありませんが、データの読み込みにかかる時間が長くなるので特にPvP、対人戦要素があるゲームは無理だと考えたほうが良いでしょう。
最近発売されたゲームだとNintendo Switchの大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALなどがそうですね。ソロで遊ぶなら問題ありませんが、対人戦や協力プレイなどはおすすめできません。
また息抜き程度にゆるく遊ぶだけなら1Mbpsでも大丈夫ですが、ソフトのダウンロードや更新、アップデートなどは日中の高速な状態で済ませておきましょう。
普段WiMAX 2+でネトゲをしている私の感想は下記の記事に書いてあります。
3日間制限を避けたい方におすすめのモバイルWi-Fiルーター
WiMAX 2+はどの事業者と契約しても絶対に混雑回避のための速度制限があります。
しかしWiMAX 2+以外のモバイルWi-Fiルーターなら、このような3日間制限が存在しないサービスもあります。
そこで3日間制限がなくておすすめのモバイルWi-Fiルーターを2種類紹介します。
FUJIWifi
【FUJIWifi】はモバイルWi-FiルーターやSIMカードのレンタルサービスです。
ルータープランではSoftBank回線とWiMAX 2+回線の2種類のプランが提供されています。後者のWiMAX 2+についてはやはり混雑回避のための速度制限があるのですが、SoftBnak回線のプランについては基本的に制限されることはありません。
基本的にというのは、FUJIWifiとしては制限を行っていないのですが、FUJIWifiに回線を卸しているSoftBankが異常な通信利用量のヘビーユーザーであると判断すると制限が行われる可能性があるのです。
しかし仮に制限されたとしても、それさえも回避してしまう方法が1つだけあります。それは最上位の4G/LTE いつも快適プランを契約することです。
4G/LTE いつも快適プランは月額料金が6,000円/月と高額なだけあって、月間データ通信量に上限を設けていません。
また上記の理由でSoftBankによって制限される可能性はありますが、万が一制限してしまった場合はFUJIWifiに申告することで端末を交換してもらうことが可能です。
交換端末が届くまではインターネットを利用できなくなってしまいますが、その期間はスマートフォンのテザリングなどで凌ぎましょう。あるいはサブのモバイルWi-Fiルーターを契約しておくのも良いかもしれませんね。
容量制限と3日間制限のどちらも気にせずに利用したいのであれば、【FUJIWifi】がおすすめです。
NEXTmobile
NEXTmobileはSoftBank回線を利用したモバイルWi-Fiルーターサービスです。
こちらは容量制限があるものの、3日間制限はありません。そのため突発的に大量に通信することがあったとしても、月間データ通信量が規定値を超えなければ通信速度が低下することは絶対にないです。
もっともコスパが良いのはギガネクスト30GBプランでしょう。最大24か月間は3,490円/月で利用することが可能です。端末が無料で手に入るのも嬉しいですね。
レンタルは嫌、端末を手に入れたいという方にはNEXTmobileがおすすめです。
NEXTmobileについては下記の記事で詳しく解説していますのでぜひお読みください。
まとめ
WiMAX 2+は無制限ではなく、混雑回避のための速度制限があります。
この3日間制限は比較的緩めの速度制限なので、ヘビーな使い方をしなければなかなか低速化しませんし、もし制限されたとしてもそこまで遅くはなりません。
ただし高画質な動画をストリーミングで再生したり、オンラインゲームで遊ぶといった使い方はかなり厳しくなります。
夜間にこういった使い方をするのであれば、WiMAX 2+はあまりおすすめできません。容量制限も3日間制限もない【FUJIWifi】をおすすめします。
あるいは容量制限はありますがNEXTmobileもおすすめのモバイルWi-Fiルーターです。100GBも使わないけれど、いざという時のために3日間制限が行われないモバイルWi-Fiルーターを契約したいという方に最適でしょう。
3日間で10GBも使わない、仮に1Mbps程度に制限されても自分の使い方なら問題ないだろうと思われた方は、WiMAX 2+のギガ放題を契約しても大丈夫です。
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