通信速度が1番速いPocket WiFiを知りたいという方はいらっしゃいませんか?
せっかくモバイルWi-Fiルーターを契約するなら、通信性能が優れている機種で快適に通信したいですよね。
この記事ではSoftBankのサブブランド、Y!mobileのモバイルWi-FiルーターPocket WiFiについて、過去に販売されていた機種から最新モデルまで全機種の通信速度とLTEを含む4Gの対応周波数帯・バンドを比較しやすいよう表にまとめました。
Pocket WiFiで快適にインターネットを利用したい方は、ぜひこの記事を読んでください。これを読めば、通信速度が1番速いPocket WiFiはどの機種なのかが一目瞭然ですよ。
通信速度が1番速いPocket WiFiは603HW
2018年4月現在、通信速度が1番速いPocket WiFiは603HWです。
603HWは3つの電波を束ねて同時に通信するキャリアアグリゲーションや4x4MIMO(フォーバイフォーマイモ)、そして変調方式256QAMに対応しています。
これら3つの通信技術により、603HWはPocket WiFi史上最速の下り最大612Mbpsを実現しました。
機種選びにおいて通信性能を最重要視するのであれば、603HW一択です。
SoftBank 4Gのエリアでは下り最大612Mbpsの超高速通信に対応
Pocket WiFiにはSoftBank 4GとSoftBank 4G LTE、2種類のサービスエリアがあります。
SoftBank 4Gはサービスエリアが比較的狭いことがデメリットですが、603HWのようなアドバンスオプションに対応している機種なら容量制限なしで利用可能なのが大きなメリットです。
特に東名阪の一部のエリアでは、下り最大612Mbpsの超高速通信に対応しています。
603HWはアドバンスモードで超高速回線を利用したい方に最適な機種です。
SoftBank 4G LTEのエリアでは下り最大350Mbpsの高速通信に対応
もう一方のSoftBank 4G LTEでは、603HWの下り最大速度は350Mbpsです。SoftBank 4Gと比較するとかなり遅いのではないかと感じるかもしれませんが、これでもPocket WiFiでは最速を誇ります。
SoftBank 4G LTEは最大通信速度が劣る代わりに、サービスエリアはSoftBank 4Gよりも広範囲で全国に展開しています。
また比較的低周波数帯の回線を利用しているため、電波が屋内へ届きやすいです。
ただしアドバンスオプション利用時はSoftBank 4G LTEで通信することが不可能になるので注意してください。
SoftBank 4G LTEとSoftBank 4Gの違いについては下記の記事でも解説しています。
![](https://gadget-live.net/wp-content/uploads/2018/03/4G_LTE.jpg)
通信速度を最重要視するなら603HW一択
SoftBank 4G LTEとSoftBank 4G、どちらのエリアにおいても最速のPocket WiFiは603HWです。
通信速度を最重要視するのであれば603HWをおすすめします。
しかし603HW以外のPocket WiFiの通信速度がどれくらいなのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
そこでPocket WiFi全機種の最大通信速度についてまとめてみました。
Pocket WiFiの最大通信速度一覧
機種 | SoftBank 4G LTEの 下り最大/上り最大 | SoftBank 4Gの 下り最大/上り最大 | 備考 |
---|---|---|---|
112.5Mbps/37.5Mbps | 110Mbps/10Mbps | Wi-Fi接続時は下り最大72Mbps程度 | |
112.5Mbps/37.5Mbps | 110Mbps/10Mbps | Wi-Fi接続時は下り最大67Mbps程度 | |
350Mbps/37.5Mbps | 612Mbps/13Mbps | ||
112.5Mbps/37.5Mbps | 110Mbps/10Mbps | Wi-Fi接続時は下り最大65Mbps程度 | |
504HW | 187.5Mbps/37.5Mbps | 261Mbps/10Mbps | |
187.5Mbps/37.5Mbps | 165Mbps/10Mbps | ||
401HW | 112.5Mbps/37.5Mbps | 110Mbps/10Mbps | Wi-Fi接続時は下り最大65Mbps程度 |
305ZT | 187.5Mbps/37.5Mbps | 165Mbps/10Mbps | |
303HW | 75Mbps/25Mbps | 110Mbps/10Mbps | |
GL10P | 75Mbps/25Mbps | 110Mbps/10Mbps | |
GL09P | 75Mbps/25Mbps | 110Mbps/10Mbps |
Y!mobileブランドから発売されたすべてのPocket WiFiについて、まずは下り最大速度と上り最大速度をまとめました。機種名がリンクになっているものは、現在Y!mobileオンラインストアで取り扱い中の機種です。
これらの通信速度はすべてベストエフォート、理論値なので最大速度と表されます。最高の条件が揃っている環境では下り612Mbpsや上り37.5Mbpsで通信することが可能ですが、常にこの速度で通信することが保証されているわけではないのでご注意ください。
また701UCや601ZTなど一部の機種については、Wi-Fi接続(Wi-Fiテザリング)時の最大通信速度はこれよりも低下します。このような機種ではUSB接続(USBテザリング)でないと100%の能力を発揮することはできません。
さらに、最大通信速度に明確な差があったとしても、通信する環境によっては実際の通信速度が逆転してしまう可能性もあります。
いずれにしても、常時この最大通信速度で通信可能なわけではない、ということは頭の片隅に入れておいてください。
下り最大速度と上り最大速度について
ご存じでない方のためにも改めて確認しておきますが、下り速度とはデータをダウンロードする際の通信速度のことです。受信速度やダウンロード速度などと表記されることもあります。
逆に、上り速度はデータをアップロードする際の通信速度のことなので、送信速度やアップロード速度などと表記されることも多いですね。
Webサイトのテキストや画像を読み込んだり、YouTubeの動画を再生するといった通信は基本的にすべてダウンロードです。
そのため快適に通信するためには上り最大速度はあまり重要ではなく、下り最大速度を重視すべきということになります。
通信速度が1番速いPocket WiFiは603HW
繰り返しになりますが、通信速度が1番速いPocket WiFiは603HWです。
特に下り最大速度については、SoftBank 4GとSoftBank 4G LTEのどちらのエリアにおいても圧倒的に優れているので、通信速度を最重要視するのであれば603HWを選べば間違いありません。
Pocket WiFiが対応している4Gの周波数帯・バンド一覧
機種 | 2.1GHz | 1.7GHz | 900MHz | 1.5GHz | 2.5GHz(AXGP) | 3.5GHz(TDD-LTE) |
---|---|---|---|---|---|---|
〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
504HW | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
401HW | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
305ZT | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
303HW | × | 〇 | × | × | 〇 | × |
GL10P | × | 〇 | × | × | 〇 | × |
GL09P | × | 〇 | × | × | 〇 | × |
こちらは最大通信速度から一歩踏み込んで、各機種が対応している4Gの周波数帯・バンドについてまとめた表です。
周波数の数字自体は、高ければ良いとか低いほうが良いということはありません。しかし対応している数については絶対に多いほうが良いです。
対応周波数帯が増えるとPocket WiFiの利用可能なエリアが広がりますし、帯域の混雑に強くなるなどのメリットがあります。
またキャリアアグリゲーションに対応している機種は2つ以上の周波数帯で同時に通信することが可能ですが、対応周波数帯が少ないとせっかくのメリットを十分に生かせません。
逆に、対応周波数帯が多ければキャリアアグリゲーション可能な組み合わせが多様になって、それが最大通信速度の向上にも繋がります。
必ずしも対応周波数帯が多ければキャリアアグリゲーションの組み合わせも増えるというわけではありませんが、どちらのほうが良いかと言えば多いに越したことはないです。
4Gの対応周波数帯が1番多いPocket WiFiは603HW
対応周波数帯が1番多いPocket WiFiは603HWです。
特に通信速度面に関してはTDD-LTEと呼ばれる3.5GHz帯に対応しているメリットが大きく、これとAXGPを2回線分束ねて3波のキャリアアグリゲーションを行うことで下り最大612Mbpsの超高速通信が可能となっています。
603HW以外については、305ZT以降の機種が対応している周波数帯はまったく変わっていないです。しかしキャリアアグリゲーションが可能な周波数帯の組み合わせは異なるため、最大通信速度は機種によって110Mbps~261Mbpsとかなり幅があります。
ただし通信性能が1番優れている機種が603HWであることに変わりはないので、通信速度を最重要視するのであればやはり603HW一択だと考えていただいて大丈夫です。
Pocket WiFi以外の最大通信速度が優れているモバイルWi-Fiルーター
ここまでご覧いただいたように、Pocket WiFiの最大通信速度は現在612Mbpsです
しかし、実はもっと高速な通信に対応しているモバイルWi-Fiルーターが存在することをご存知でしょうか。
そこで最後に、Pocket WiFiと他社のモバイルWi-Fiルーターの最大通信速度が優れている機種を比較してみます。
WiMAX 2+のSpeed Wi-Fi NEXT W05
UQコミュニケーションズのWiMAX 2+では下り最大708Mbpsの超高速通信が可能です。
その超高速通信に対応している機種は、Speed Wi-Fi NEXT W05と旧型W04があります。特にW05は上り速度が最大75Mbpsに対応していますが、これはモバイルWi-Fiルーターとしては最速クラスです。
これだけを読むとW05のほうが速くて良さそうに感じますよね。
しかしW05が下り最大708Mbpsで通信するためには、ハイスピードプラスエリアで通信する必要があります。また最大708Mbpsに対応しているのはPocket WiFiと同様に、東名阪の一部のエリアだけです。
しかもハイスピードプラスエリアは使い放題ではなく、月間のデータ通信量が7GBを超過すると厳しい速度制限が行われます。
速度制限を気にせず通信するためにはハイスピードプラスエリアではなく、ハイスピードモードで通信しなくてはいけません。
これなら7GBを超過しても厳しい速度制限が行われることはありませんが、ハイスピードモードでは下り最大速度は558Mbpsに低下してしまいます。つまりPocket WiFiの612Mbpsを下回ってしまうのです。
WiMAX 2+対応モバイルWi-Fiルーターの通信速度については下記の記事で詳しく比較、解説しています。
![](https://gadget-live.net/wp-content/uploads/2018/04/wimax2-speed-comparison.jpg)
実際には、最大通信速度に対応しているエリアが一部のエリアに限られているため、一概にどちらのほうが優れているとは言えません。
しかし速度制限を気にせず大量に通信するという前提なら、スペック上はWiMAX 2+のW05よりもPocket WiFiの603HWのほうが優れています。
docomoのWi-Fi STATION N-01J
docomoのPREMIUM 4Gでは下り最大788Mbpsの超高速通信が可能です。
こちらも東名阪など一部の都市から下り最大788Mbpsのエリアを順次拡大中ですが、dcoomoはキャリアアグリゲーションの組み合わせが豊富で、下り最大738Mbpsや682Mbpsのエリアも展開しています。
つまりdocomoなら東名阪以外でも、他社の最大通信速度を超える高速回線を利用することが可能です。
しかし、docomoではPocket WiFiのアドバンスオプションのようなサービスが提供されていません。
そのため、データ容量(ギガ)が足りなくなればその都度追加料金を支払うか、高額なパケット定額に加入する必要があります。
例えば1人向けのパケット定額でデータ容量が1番大きいのは30GBのウルトラデータLLパックで、月額料金は8,000円/月です。これに基本プランなどの料金も加えると、最低でも9,400円/月はかかります。
Pocket WiFiならアドバンスオプションを利用しても半額程度で済むので、この料金の高さは流石にためらってしまいますよね。
ただし、docomo回線が他社を圧倒するレベルの超高速回線であることは間違いありません。またアドバンスモードのように一部の回線しか使えなくなるということもないので、サービスエリアの広さでも非常に優れています。
コスト度外視で快適に通信したいのであれば、現状docomo以上の選択肢はありません。
まとめ
現在最大通信速度が1番速いPocket WiFiは603HWです。
Pocket WiFiではSoftBank 4G LTEとSoftBank 4G、2種類の高速通信サービスが提供されていますが、いずれのサービスエリアにおいても603HWが最速の下り最大612Mbpsを誇ります。
対応している4Gの周波数帯・バンドの面でも、やはり603HWが1番優れているので、通信速度を最重要視するのであれば603HW一択です。
同じような速度制限が緩いモバイルWi-FiルーターはWiMAX 2+が有名ですが、下り最大速度が708Mbpsとなるのは7GB制限があるハイスピードプラスエリアに限られます。
つまり速度制限を気にせず大量に通信したいのであれば、WiMAX 2+よりもPocket WiFiのほうが最大通信速度が優れているのです。
またdocomoは最大通信速度とサービスエリアの両方で同業他社を圧倒していますが、コストを考慮すると大量通信には向いていません。
通信速度でモバイルWi-Fiルーターを選びたい方の参考になれば幸いです。
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