Pocket WiFiの一部の機種、303HW/304HW/501HW/502HWにはテレビチューナーが内蔵されています。
これらのモバイルWi-FiルーターとWi-Fiで接続したスマートフォンやタブレットで専用アプリを起動すれば、iPhoneのようなワンセグやフルセグに対応していないスマートフォンでもテレビを視聴することが可能になるのです。
そんな珍しい機能を搭載したPocket WiFi 502HWを使用する機会を得られたので、実際にiPhoneやAndroidスマートフォンでワンセグおよびフルセグでテレビを視聴してみたレビュー、感想などを書いておきます。
ちなみに使用したPocket WiFi 502HWはレンタルWi-FiサービスのWiFi東京レンタルショップから提供されたデモ機です。WiFi東京レンタルショップのレビューについてはこちらをお読みください。
Pocket WiFiの一部の機種はテレビチューナーを搭載している
SoftBankやY!mobileブランドで提供されているモバイルWi-Fiルーター、Pocket WiFiは303HW/304HW/501HW/502HWの4機種だけテレビチューナーを搭載しています。
しかしPocket WiFi自体がテレビとなるわけではありません。
Pocket WiFiとWi-Fiで接続したスマートフォンやタブレットで、ワンセグやフルセグを視聴することが可能になります。
Pocket WiFiでテレビを視聴するメリット
このPocket WiFiの機能には下記のようなメリットがあります。
ワンセグ非対応のスマートフォンでもテレビの視聴が可能になる
まずはこれ。スマートフォン自体にワンセグやフルセグのチューナーが搭載されていなくても、テレビを視聴することが可能になります。
特にiPhoneやiPadといったiOS端末はすべてワンセグに非対応ですが、これらを使用している方でも対応しているPocket WiFiがあればテレビを視聴することが可能です。
被災時にモバイルネットワークが繋がらなくてもテレビで情報収集できる
今時テレビなんて…と思われる方も多いでしょうし、実際私もそんなに長時間見ることはありませんが、インターネットを利用せずにテレビを視聴可能であるというのは1つのポイントです。
例えば台風や地震といった災害発生時は、4G LTEや3Gのモバイルネットワークに繋がらなくなったり、繋がりにくくなったりすることがよくあります。しかしワンセグやフルセグはインターネットを利用しないので、そういった状況下でもテレビで情報収集することが可能…かもしれません。
まあワンセグも絶対に受信できるという保証はありませんが、保険としてそういう選択肢も持っていると安心でしょう。
フルセグ対応だからフルHDの高画質で楽しめる
また搭載されているテレビチューナーは低解像度のワンセグだけでなく、高解像度のフルセグにも対応しています。
ワンセグの解像度は320×240。画面が小さいフィーチャーフォン、いわゆるガラケーなら気にならないかもしれませんが、最近の大画面スマートフォンでワンセグ画質はかなりしんどいです。
しかしフルセグならフルHD、1920×1080までの解像度に対応しているので、普通のテレビと変わらない画質で映像を楽しめます。
外部ディスプレイに出力して大画面で視聴することも可能
Pocket WiFiでテレビを視聴するためには、専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットが必須です。PCモニターなどの大画面ディスプレイと直接繋いで視聴することはできません。
しかしMiracastなどでスマートフォンの画面をミラーリングすれば、外部ディスプレイでテレビを視聴することが可能です。
ミラーリングするためにはMHLケーブルやMiracastドングルなど何かしらの機器が必要となりますが、フルセグなら30インチを超えるような大画面でもまったく問題なく視聴できますよ。
中古の白ロムが格安で手に入る
テレビチューナーを搭載しているPocket WiFiはいずれも型落ちとなっている機種なので、中古でも構わなければ白ロムが格安で手に入るのが嬉しいポイント。
SIMロック解除済みの端末であればFUJIWifiなどのレンタルSIMや、MVNO各社が提供している格安SIMが使えますし、コストパフォーマンスは悪くありません。
まあSIMロック解除済みの個体を手に入れるのがネックだったりしますが、最悪非公式な方法でSIMフリー化することが可能です。最近は50ドルほどかかるようですが…別途専用のワンセグチューナーやフルセグチューナーを購入するのと比べれば、そこまで割高感はないでしょう。
そんなPocket WiFi 502HWを使用して、実際にテレビ番組を視聴してみました。
実際にPocket WiFi 502HWでテレビ番組を視聴してみる
Pocket WiFi 303HW/304HW/501HW/502HWに内蔵されているテレビチューナーを使用するためには、スマートフォンやタブレットに下記のアプリをインストールしておく必要があります。
Pocket WiFiとWi-Fi接続した状態でアプリを起動して初期設定を済ませると、テレビを視聴することが可能です。
テレビ視聴
Huawei Device Co,. LTDposted withアプリーチ
Android 8.0を搭載したスマートフォンでは安定して視聴可能
所有端末でいろいろ試してみたところ、Android 8.0 Oreoを搭載している端末では安定して視聴することが可能でした。
高画質なフルセグで視聴するのは結構シビアで、Pocket WiFiを窓際に置いておかないとワンセグに切り替えられてしまうことが多いですが、アプリ自体の動作は安定していて普通に視聴できます。
Android 9はサポート対象外。Android 7.0も不可?
しかし最新のAndroid 9 Pieはサポート対象外のようで、Galaxy S8 SC-02Jだとアプリが起動せず視聴できませんでした。
またGoogle Playのレビューでも多数報告されていますが、旧バージョンのAndroid 7.0 Nougatでもアプリが起動しないようです。実際私が所有しているAndroid 7.0の端末もダメでした。
Android 6.0 Marshmallowのスマートフォンだと一応視聴することが可能でしたが、動作が不安定で強制終了が多発。
結局、安定して視聴可能なのはAndroid 8.0系統のOSを搭載している端末だけでした。
iOS 12は不安定なものの一応視聴可能
iOS 12を搭載しているiPhone SEやiPad Air 2も動作が若干不安定でしたが、こちらは一応実用の範囲内ではあるかなといった感じです。
iOS搭載端末だと、なぜか有線イヤホンを接続しても音声が再生されませんでしたが…
Bluetoothイヤホンの使用は不可
なおAndroidかiOSかを問わず、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンを使用することは不可能な仕様になっています。
Bluetoothイヤホンの接続を認識すると、警告メッセージが表示されて映像も音声も流れません。
後述するようにMiracastは制限されていないのに、かなり謎な仕様です。
Miracastを利用して外部ディスプレイで視聴することは可能
Bluetoothイヤホンは使用できないのにMiracast、つまりWi-Fiで外部ディスプレイにミラーリングすることは可能です。
ZenFone 3 Deluxe ZS570KLだとPlay Toという名称の機能ですが、これを利用してFire TV Stickを接続した液晶テレビに映像と音声を飛ばすことは可能でした。
ワンセグだと解像度が低過ぎて耐えられませんが、フルセグなら普通の地上波とまったく同じ解像度で表示されるので、30インチクラスの大画面ディスプレイでもまったく問題なく視聴できます。
まあこれを活用できるシーンはなかなかないような気もしますが、一応こういう使い方もできますよってことで。
まとめ
今回はPocket WiFi 502HWに内蔵されているテレビチューナーを使用してワンセグ&フルセグを視聴してみました。
専用アプリが安定して動作するOSのバージョンはかなり限定的ですが、このようなテレビチューナーを内蔵しているモバイルWi-Fiルーターは4機種しか存在せず、非常に珍しい機能です。
ワンセグやフルセグに対応していないSIMフリー端末でもテレビの視聴が可能になりますし、ニッチながらも一定の需要はありそうな気がします。
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