SIMフリーのモバイルWi-Fiルーター、FS030Wはマルチキャリアに対応していたりWi-Fiがデュアルバンドで同時利用が可能だったりと何かと優秀なのですが、この機種はデフォルトの状態で使用するとping、つまり応答速度が異常に遅くなる場合があります。
ブラウジングするだけなら応答速度が遅くてもあまり影響を感じないかもしれませんが、オンラインゲームやIP電話のようなリアルタイム性が求められる使い方をするならpingは非常に重要です。特に最近だとテレワークでWeb会議をする方も多いでしょうし、pingが遅いと音声や映像にラグが生じる可能性が高く、快適に通信できない恐れがあります。
このping、普通は改善方法らしい改善方法が存在しないのですが、FS030Wについては設定を1つ変更するだけで劇的に改善する可能性があるのです。
FS030Wのpingが遅くて困っている方はぜひ試してみてください。
FS030Wのpingが遅い原因と改善方法
通信速度やpingといった数値は通信環境によって大きく変化するため一概にどれくらいの数字が普通とは言えませんが、それでもFS030Wに限って言えばpingが明らかに異常な数値を叩き出すことがあります。
↑のスクリーンショットはmineo DプランのSIMでスピードテストを行った結果です。電波を受信しやすい良好な環境でも軽く3桁を超えます。2回目はギリギリ2桁ですが、3回の平均値は119msにもなります。他機種だとせいぜい40~50msほどなのに、です。
必ずしも異常に遅いわけではありませんが、pingが100msを超えてくるとかなりストレスを感じます。特にZoomやTeamsといったWeb会議で使用すると、使い物にならないとさえ思われる方もいるかもしれません。
pingが異常に遅いならSFE設定をOFFにするだけで劇的に改善
FS030Wのpingが異常に遅いと感じるなら、下記の手順で管理画面からSFE設定をOFFにしましょう。
- ブラウザーでFS030WのIPアドレス(初期値はhttp://192.168.100.1)にアクセス
- パスワード(初期値はadmin)を入力してログイン
- システム設定→SFE設定をOFF
デフォルトだとSFE設定が自動になっていますが、これをOFFにするだけで劇的に改善します。
実際に同じmineo DプランのSIMで実行してみた結果、平均約50msまで向上しました。
SFE設定をOFFにすると通信速度に影響を及ぼす場合があると記載されており、実際pingが改善した半面、通信速度は少々遅くなっています。しかしこの程度は誤差の範囲内でしょう。それよりもpingの改善幅のほうが圧倒的です。
基本的にオンラインゲームもWeb会議も通信速度は10Mbpsもあれば十分。それよりもpingのほうが重要です。必要最低限の通信速度が出ているなら、少々通信速度を落としてもpingを改善したほうが快適に感じるでしょう。
元々のpingが常識的な速度なら効果はない
ただしFSE設定をOFFにすれば絶対にpingが改善するというわけでもありません。
例えば楽天モバイル(MNO)のSIMでパートナーエリア、つまりau回線で通信した場合、SFE設定が自動でもpingは平均約42msでした。
この楽天モバイルのSIMでSFE設定をOFFにすると、pingは平均約46msとむしろ悪化する結果に。通信速度もわずかながら低速化しています。
当たり前と言えば当たり前ですが、SFE設定をOFFにしてpingが改善するのは、SFE設定が有効になっているせいでpingが悪化している場合のみということですね。悪化したのはまあ誤差の範囲でしょう。
pingが常識的な速度なら改善する見込みは薄いので、通信速度を落とさないようにSFE設定は自動のまま使用するのが良さそうです。
まとめ:FS030Wのpingが異常に遅い場合はSFE設定をOFF!
FS030Wのpingが異常に遅くて困っている場合は、SFE設定をOFFにしましょう。山奥など劣悪な環境で通信している場合はこの限りではありませんが、良好な環境で異常な数値になっているなら改善する可能性が高いです。
それでも改善しない、あるいはもっと快適に通信したいなら有線LANやUSBで接続するか、5GHz(W52/W53/W56)でWi-Fiを飛ばしましょう。FS030Wで5GHz帯を利用する方法については下記の記事を参照してください。
ただし元々pingが特別遅いわけでないのなら、OFFにせず自動のままのほうが通信速度を保てます。
私のように頻繁にSIMカードを入れ替えて使用するのであれば、面倒ですがその都度切り替え忘れないように気を付けましょう。もしくはずっとOFFにしておくほうが楽で無難かもですが。。
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