最近Galaxyの一部のモデルにおいて「USB Power Deliveryを一時停止」する機能が実装されていたということで巷で話題になっていますね。名称や説明文を読んでもなんのこっちゃ分かりませんが、要は充電器接続時に内蔵バッテリーを充電せず、本体へ直接給電してくれる機能です。
Galaxy S23 UltraでUSB Power Deliveryを一時停止(直接給電)。Game Launcherに登録されてるアプリがアクティブになっている時だけ消費電力が下がります。 pic.twitter.com/m1kG9wMGJK
— Ame (@GadgeLive) 2023年5月6日
上記ツイートの動画のように、Game Launcherに登録したアプリであればゲームでなくても、ウインドウがアクティブになっているあいだは消費電力が下がります。画面上に表示されていても、分割表示などでアクティブになっていなければ通常通りバッテリーが充電されます。
充電しなければバッテリーに負荷はかかりませんし、発熱を抑えることもできます。ゲームアプリ向けということでこの機能が有効になるアプリは限られますが、長時間ゲームで遊ぶようなユーザーにとっては喜ばしい機能です。
ただアプリ以外にも動作条件があるようで、海外のメディアではSamsung純正の45W Travel Adapter EP-TA845を使用した場合のみ有効だと報じられているそうで。
S8+で給電モード有効化出来てるとの事ですが、利用している充電器ってこの45W Travel Adapterですかね?https://t.co/PeSqOQZluM
— 織間 裕介(Yusuke Orima) (@TheOkkun) February 25, 2023
Sammobileの記事読むとこの充電器使った機器だけ有効化出来ていると記載があり、手元になく試せないので知りたくて。https://t.co/jlmYRkvcEj
実際に筆者も確認してみましたが、ACアダプターを繋がなければ項目が存在していてもグレーアウトしていてON/OFFを切り替えることができませんし、またACアダプターによっては充電状態でもグレーアウトしたままでした。
名称からすればUSB PDに対応している充電器であれば何でも使えそうな気がしますが、実際のところどうなのかGalaxy Tab S8+と手持ちの充電器を一通り使用して調べてみました。なお大した検証機器は持っていないので悪しからず。。
USB Power Deliveryを一時停止(Pause USB Power Delivery)に対応しているACアダプターを調べてみる
初めに予備知識として、Galaxy Tab S8+は超急速充電2.0(Super Fast Charging 2.0)による最大45Wの入力に対応しています。超急速充電2.0で充電するためには、45W Travel Adapter EP-TA845のようなUSB PD PPS 3.3-11.0V/4.05A以上の出力が可能なACアダプターを使用する必要があります。Galaxy S23 Ultraなども同様ですね。
PPS対応でも3Aまでしか対応していないACアダプターやUSBケーブルを組み合わせると、2.0ではない普通の超急速充電になります。
機能の名称的にはPPSは不要、普通のUSB PD対応ACアダプターでも問題ないと思われますが、まあ念の為。
USB Power Deliveryを一時停止できたACアダプター
メーカー | 名称・型番 | 単ポート最大出力 | PPS対応 | 備考 |
Samsung | Travel Adapter EP-TA845 | 45W | 〇 | 超急速充電2.0対応。販売終了済み、後継モデルは45W USB-C Power Adapter EP-T4510XBJGJP |
Samsung | EP-TA800 | 25W | 〇 | 国内では単体販売なし、WirelessCharger Trioの付属品を使用 |
Anker | Anker PowerPort III 65W Pod | 65W | 〇 | |
Anker | Anker 615 USB Power Strip | 65W | × | |
Anker | Anker Nano II 65W | 65W | × | |
デルタ電子 | Innergie C6 Duo | 60W | 〇 |
手持ちのUSB PD対応ACアダプターで確かめてみたところ、わりといろんな製品で利用可能でした。
まず純正のTravel Adapter EP-TA845は当然のごとく、一時停止機能が利用可能です。現在は終売していますが後継モデルとして45W USB-C Power Adapterがあり、これも恐らく利用できるでしょう。ちなみに元々ガジェット界隈では定評がある充電器なのでぜひ1つは持っておきたいです。
また同じく純正のEP-TA800については最大25Wしか出力できませんが、これでも一時停止機能が利用可能でした。国内では単体販売されていない充電器ですが、ワイヤレス充電器などの付属品で持っている方はこれでもOKです。
Samsung純正品でなくても、Ankerやデルタ電子といったサードパーティー製品でも単ポート使用時なら利用可能でした。特にAnkerについて、PPS非対応の充電器でも問題ありませんでした。まあそれはそれとして、AnkerはGaNPrimeとかどうでも良いので全製品PPS対応してください。
USB Power Deliveryを一時停止できなかったケース
ぶっちゃけ手持ちのACアダプターでUSB PD出力がもっとも低いのがEP-TA800だったので、ACアダプターとしては手持ちの製品はすべて使えてしまいました。。
ただモバイルバッテリーで充電してみたところ、最大18WのAnker PowerCore Slim 10000 PDだと有効化できないことを確認しました。
またAnker 615 USB Power StripやInnergie C6 Duoでも、2ポート同時に使用すると有効化できないケースが多々ありました。
書き出すとめちゃくちゃ長くなるので割愛しますが、Galaxy Tab S8+に30W以上が給電されるはずの状況でもなぜか有効化できない場合もあったのでよく分かりません。もしかしたら実際には18W程度しか出力しないようにACアダプターが通知していたりするのかもしれませんが、筆者はそこまで詳しく調べられる機器を所有していないので検証はそこまでです。EP-TA800で有効化できるのですから30Wあれば十分だと思うんですけどね…
Anker 615 USB Power Stripに至っては後からGalaxy Tab S8+を繋いだ場合、先に繋いだデバイスが18W以下しか要求しないものでも有効化できませんでした。これもどちらのポートだろうが先に繋いだほうに45Wを確保して、後から繋いだほうには18Wしか出力しないように通知してる感じですかね…?
まあ基本的にUSB Type-Cポートを複数搭載しているACアダプターにまともな挙動は期待できないので、気にしても仕方ないですが。ストレスなく確実に利用したいのであれば、やはり単ポートのみ搭載しているちゃんとした製品を使用すべきでしょうね。。
まとめ
USB Power Deliveryを一時停止する機能、Pause USB Power Deliveryは純正の充電器でなくても利用可能です。
明確な動作条件は不明ですが、恐らく単ポートで25W以上の出力を備えていれば大丈夫です。もし不安なら、純正の45W USB-C Power Adapterを購入しておくのがベストでしょう。超急速充電2.0は単純に充電スピードが速いだけでなく、電圧を細かく調整することで充電時の発熱も抑えられます。
現状はまだ利用可能な機種が限られている機能ですが、Galaxyユーザーの参考になれば幸いです。
コメント
いきなりすみません。質問よろしいでしょうか?
上記に記載のある「Travel Adapter EP-TA845」を使っているのですが、充電が停止しません。一時停止のオンオフは出来るのですが、オンにしても普通に充電しています。
充電が止まったとありますが、何のゲーム、どういう手順で行ったのでしょうか?
他のサイトでも記載がなく質問させていただきました。
動画をアップしたツイートを載せたのでご確認ください。オプションを有効化した状態で対象のアプリを起動するだけです。本体に給電が行われるので充電の表示は変わりませんよ。
あと利用するアプリはGame Launcherに登録されていますか?
ご掲載ありがとうございます!
>>Game Launcherに登録されていますか?
マイゲームの箇所にダウンロードしたアプリが表示されているか、ということでしょうか?だとしたら表示されています。例えば、PUBG Mobileやスト4などが表示されています。
もう一度やってみますね。
PUBGで出来ました!!
充電ケーブルを差して、充電表示されたまま20分位プレイしても全く充電されませんでした!!
この度はありがとうございましたm(_ _)m