先日、全国民に最適なワンプランと謳った楽天モバイルの新料金プラン、Rakuten UN-LIMIT Ⅵが発表されました。
2021年4月よりスタートするRakuten UN-LIMIT Ⅵでは毎月のデータ通信量が1GB未満なら月額料金は無料になります。自社回線のエリアの狭さはさておき、ネットをほとんど利用しないライトユーザーにとっては最高な選択肢になりそうです。
そんなRakuten UN-LIMIT Ⅵについて三木谷社長には「スマホを持てない人を減らそう」という思いがあるそうですが、この楽天モバイルのSIMカード、実はスマホでなくてもAndroidケータイでも利用できたりするんですね。まあその事実には私もつい最近気付いたばかりなんですけども。
楽天モバイルではAndroidケータイやガラケーの取り扱いはありませんし動作保証もしていませんが、他社のAndroidケータイでも楽天モバイルの電波に対応している最近の機種なら、楽天モバイルのSIMカードで通話やデータ通信などを利用できる可能性があります。
家族にまだガラケーユーザーがいるという方、楽天モバイルに乗り換えさせれば維持費を無料にできるかもしれませんよ。
Androidケータイを楽天モバイルで利用してみる
2年ほど前にY!mobileのスーパーだれとでも定額を利用したくてAndroidケータイ、いわゆるガラホのAQUOSケータイ2 602SHを購入しまして。
SIMカードはSIMフリーのDSDS対応スマートフォンで運用していたため、602SHはまったくと言って良いほど使用することはなくほこりを被っていました。SIMロックさえ解除せずに。
今回そのスーパーだれとでも定額を利用していた回線を楽天モバイルにMNPすることにしたので、まあ今となっては解約後でも可能なのですが先に602SHのSIMロックを解除してみました。
その際に楽天モバイルのSIMカードを使用したので、ついでにAPNを設定してみてデータ通信ができるかどうか確かめてみようと思い付いたのが事の発端です。
理屈的にはBand3に対応していれば楽天モバイルで通信可能なはず
AQUOSケータイ2 602SHはY!mobileブランドの製品で、他の大多数の機種と同じくSoftBank回線にのみ最適化されており、docomoやauのプラチナバンドには対応していません。
しかし楽天モバイルが唯一所有しているLTEの1.7GHz帯、Band3に対応しているため、理屈的にはSIMロックを解除した状態であれば楽天モバイルのSIMカードでデータ通信が可能なはずです。またLTEで音声通話を行うVoLTEをサポートしているため、音声通話についても可能であってもおかしくはないでしょう。
ただ楽天モバイルはBand3に対応している機種であっても使用できないケースが多々あり、そうでなくてもVoLTEの挙動はシビアなので、理屈的には可能だったとしても本当に利用できるのかどうかは実際に確かめてみないと分かりません。
ちなみにauのプラチナバンドに対応していない=パートナー回線エリアは非対応なので、仮に楽天モバイルのSIMカードで使用可能であったとしてもまだまだ狭い自社回線エリアでしか使えない点には注意が必要です。
まあY!mobileのAndroidケータイじゃあBand3に対応していたところで自社回線エリアでも使えないだろうなあと思いながらダメもとで確かめてみたところ、なんとデータ通信もVoLTEもできてしまいました。
SIMロックを解除したAQUOSケータイ2 602SHは楽天モバイルで使用可能
SIMロックを解除した602SHに楽天モバイルのAPNを設定すると、Band3を掴んでLTEでデータ通信ができました。
それだけでは音声通話が不可能でしたが、さらにimsの設定を追加することでVoLTEも可能になったのは驚きです。またSMSの受信も可能でした。
なおテザリング機能については、Y!mobileのテザリングオプションに加入していなければ有効化できない仕様になっているようで、楽天モバイルに限らずY!mobile以外のSIMカードでは利用できません。Bluetoothテザリングだと有効化はできるものの、子機からインターネット接続を試みるとそのタイミングでオプション加入にチェックが入って弾かれました。
まあテザリングはともかく、携帯電話として基本的な機能である通話とSMS、それにデータ通信が可能であればライトユーザーには十分でしょう。メーカーが保証している使い方ではありませんが、別途apkをインストールすればAndroid向けのアプリを追加することも可能だったりします。
いわゆるガラケーなどの携帯電話を持たせているものの、ほとんど使っていなくて基本料金だけ支払っている、なんて家族がいるなら楽天モバイルに乗り換えさせてみてはどうでしょうか。Androidケータイなら操作性はガラケーに近いですし、電池持ちもスマホより圧倒的に優れています。
少々通信したくらいでは1GBなんて到達しませんし、自宅にWi-Fi環境があるならなおさらです。ほぼ100%維持費を下げられるでしょう。
Rakuten Linkを経由しなければ通話料がかかる点には注意
ただしRakuten Linkアプリを経由せず普通にVoLTEで通話をすると、30秒あたり22円の通話料が発生してしまう点には注意してください。
Rakuten UN-LIMITでは通話やSMSが無料で使い放題と謳っていたりしますが、これらはRakuten Linkアプリを使用した場合の話です。Rakuten Linkアプリを使用せずに電話をかけたりSMSを送信した場合はその都度課金されます。
それじゃあAndroidケータイでもRakuten Linkアプリを使えば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、602SHがベースとしているAndroidのバージョンは5.1.1とかなり古いためRakuten Linkは使えません。
Android 9以降をベースにしている比較的新しい機種なら使えるかもしれませんが、スマートフォンで使用することしか想定されていないであろうRaakuten LinkアプリがAndroidケータイで正常に動作する保証はないですし、これも実際に確かめてみないことには何とも言えないです。
まあRakuten Linkで無料通話を利用したいなら、楽天モバイルが販売している端スマートフォンを使用することをおすすめします。
ほとんど着信専用で毎月基本料金だけ支払っているのがもったいない…なんて回線があるなら楽天モバイルに乗り換えてみると良いと思います。乗り換えにあたって楽天モバイル側に支払う費用は0円ですし、転出元に支払う手数料3,300円とAndroidケータイの白ロム購入費用だけで毎月の料金を無料にできますよ。
楽天自社回線とパートナー回線の両方に対応しているAndroidケータイはない?
肝心の楽天自社回線とパートナー回線の両方に対応しているAndroidケータイですが、2021年2月時点では京セラのGRATINA KYF39しか選択肢がありません。
しかし実際に試した方によるとGRATINA KYF39では楽天モバイルのVoLTEによる通話が不可能のようです。テザリングは利用できたそうですけどね。
したがって通話目的の方にKYF39は向いていません。
通話目的ならば現状は楽天モバイルの自社回線エリア限定で、602SHなどのVoLTEが動作する機種で使用することをおすすめします。
ちなみにSoftBankブランドの601SHは取り扱っているブランドが違うだけで中身は基本的に同じはずなので、SIMロックさえ解除すれば恐らく602SHと同様に楽天モバイルのSIMカードが使えるでしょう。中古の白ロムならそこそこ状態が良いものでも1万円以下で手に入りそうです。
通話できなくてもメールなどデータ通信が可能ならOK、それよりも繋がりやすさを重視したり、テザリングを使えるほうが嬉しいという方ならKYF39のほうが良いでしょう。
まとめ
楽天モバイルではAndroidケータイやガラケーの取り扱いはありませんが、602SHのような他社から販売されたAndroidケータイでもSIMロックを解除すれば楽天モバイルで使用することが可能だったりします。
Rakuten UN-LIMIT Ⅵはデータ通信量が1GB未満なら月額料金は無料になりますから、ヘビーユーザーだけでなくライトユーザーにとってもお得なプランなのは間違いありません。まだスマホデビューしていないガラケーユーザーの乗り換え先としても有力な選択肢となるでしょう。
また普通にスマホを使いたいなら楽天モバイルでもスマホを使えば良いのですが、携帯電話はほとんど着信専用で使っていないだとか、ガラケーと操作性が大きく変わってしまうのが嫌だとかいうのであれば、Androidケータイを検討してみてはどうでしょうか。
確かに楽天モバイルは大手3社と比べると自社回線のエリアがまだまだ狭いですが、月額料金が無料になるメリットは無視できません。自社回線エリアに住んでいるなら検討してみる価値はあります。
もっとも記事公開時からいろいろと事情は変わりまして、今となっては基本使用料が0円のpovo2.0があるので、Rakuten Linkが非対応の端末ではpovo2.0を検討したほうが良いとは思います。
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